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作業環境測定の基準を徹底解説!測定項目や測定の流れも紹介します

  • 執筆者の写真: 博 田中
    博 田中
  • 5 日前
  • 読了時間: 7分

工場や建設現場、研究施設など、さまざまな職場において、安全で快適な作業環境を維持することが求められます。そのために重要になるのが「作業環境測定」です。


適切な作業環境が整っていないと、粉じんや化学物質による健康被害が発生するリスクがあります。そこで、労働者の安全を守るために定期的な作業環境測定が欠かせません。


この記事では、測定が必要な職場の種類、具体的な測定項目と基準、測定の流れ、測定方法の種類などを解説します。さらに、測定結果に基づいた対応策の例や注意点といった適切な作業環境管理のために押さえておくべきポイントをまとめています。


職場の安全対策を強化したい企業の担当者は、ぜひ最後までお読みください。




作業環境測定とは?

 

作業環境測定とは、職場の空気中に含まれる有害物質の濃度を測定し、労働者の健康リスクを評価するための重要な取り組みです。


日本では「労働安全衛生法施行令」に基づき、特定の作業場で定期的な測定が義務付けられています。

適切な基準に沿って測定を行うことで、職場の安全性を確認し、必要に応じた改善策を講じることが可能です。



作業環境測定が必要な職場

作業環境測定が必要とされるのは、労働者が有害な粉じんや化学物質にさらされる可能性のある職場です。


たとえば、製造業の工場や建設現場では、溶接時に発生するヒュームや粉じんのため、定期的な測定が必要になります。

また、研究施設やクリーニング工場などでは、化学物質を使用する機会が多いため、作業環境の管理が重要です。


上記に挙げたような職場では、作業環境について、定められた基準を満たしているかを確認するとともに、問題があった場合は対策を講じることが求められます。



作業環境測定の項目と基準

 

作業環境測定では、作業場の種類によって測定項目が異なります。



作業場の種類や測定頻度、関連規則については下記の記事をご覧ください。


ここでは、作業環境測定の項目と基準について紹介します。


作業環境測定の測定対象

作業環境測定では、大きくわけて「有害物質」と「物理的な環境」の2つを測定対象としています。

具体的には、下記のようなものが対象です。


有害物質

  • 有機溶剤

塗料や接着剤に含まれ、吸い込むと中枢神経への影響が懸念される


  • 鉛とその化合物

バッテリー製造や金属加工の現場で使用され、長期間のばく露により鉛中毒のリスクがある


  • 特定化学物質

一部の化学物質は発がん性があるため、濃度管理が厳しく求められる



物理的な環境

  • 騒音

工場の機械音や建設現場の作業音など、一定レベルを超えると聴力障害の原因となる


  • 振動

電動工具や重機の使用により、手や腕に障害を引き起こす可能性がある。


  • 極端な温度(高温・低温)

製鉄所などの高温環境や冷凍倉庫などの低温環境では、熱中症や低体温症のリスクがある。



作業環境測定の基準

作業環境測定の基準は、労働者の健康を守るために「労働安全衛生法」に基づいて定められています。

これは、職場で発生する有害物質や騒音、振動などが労働者の身体に悪影響を及ぼさないよう、定期的に環境をチェックし、必要に応じて改善を行うためのルールです。


特に、空気中に含まれる化学物質や粉じん、熱環境などは、長期間のばく露によって健康障害を引き起こす可能性があるため、厳格な基準が設けられています。





作業環境測定の流れ

作業環境測定は、計画から実施、評価、改善のステップを踏んで進められます。


測定を行うだけでなく、結果をもとに職場環境をより安全なものにすることが重要です。


ここでは、それぞれの段階について詳しく見ていきます。

1.計画

まず、測定を行うための計画を立てます。

職場のどの場所で、どの有害因子を測定するのかを決定し、適切な測定方法を選びましょう。


また、作業のスケジュールを考慮し、労働者の負担を最小限に抑えながら、測定できるように調整することも大切です。


2.実施

計画に基づいて、実際に測定を行います。


作業環境測定士が、対象となる物質や物理的因子の濃度を測定機器を使って記録します。

測定は、作業者が通常の業務を行っている状態で実施するのが基本です。

正確なデータを得るため、測定時の条件や環境も細かく記録します。


3.評価

測定結果をもとに、作業環境の安全性を評価します。


労働安全衛生法で定められた基準値と比較し、基準内であれば問題なしと判断されますが、基準を超えている場合は対策が必要になります。

評価の際には、測定データだけでなく、作業内容や労働者の健康状態も考慮することが重要です。


4.改善

評価の結果、基準値を超えていた場合やリスクが高いと判断された場合には、適切な改善措置を講じます。


たとえば、換気設備の強化や作業方法の見直し、防護具の支給などが考えられます。

改善後も定期的に測定を行い、職場環境が安全な状態に保たれているかを確認するようにしましょう。



測定結果による対応策

 

作業環境測定の結果、基準値を超える有害物質が検出された場合や、安全性に懸念があると判断された場合には、適切な対応策を講じる必要があります。


ここでは、具体的な対応策を4つ紹介します。


換気設備の強化

有害物質の濃度が高い場合、換気設備を見直し、排気や給気のバランスを調整することが効果的です。

局所排気装置の設置やフィルターの定期交換を行うことで、作業環境を改善できます。


作業方法の見直し

有害物質の発生を抑えるため、作業工程の変更や代替材料の導入を検討します。

たとえば、粉じんの発生を防ぐために、湿式作業を取り入れるといった工夫をするとよいでしょう。


個人防護具の着用

換気や作業工程の改善だけではリスクを十分に低減できない場合、防塵マスクや保護メガネ、防護服の着用を義務付けます。

また、作業者が正しく使用できるよう、定期的な教育やフィットテストも重要です。


定期的な健康診断の実施

作業環境が改善されても、労働者の健康状態を定期的に確認することが大切です。

特定の有害物質にさらされる作業者には、専門的な健康診断を実施し、早期に異常を発見できる体制を整えましょう。



作業環境測定の注意点

 

作業環境測定を正しく実施するためには、重要なポイントを押さえておきましょう。


測定方法の選択や測定条件の管理を誤ると、正確なデータが得られず、適切な対策を講じることが難しくなります。


ここでは、作業環境測定を行う際に注意すべき点を紹介します。


測定のタイミングを適切に設定する

作業環境の状態は、時間帯や季節によって変化することも。そのため、測定は一時的なデータに偏らないよう、通常の作業が行われている時間帯に実施することが重要です。

また、異常時の測定も必要に応じて行い、リスクを正確に把握しましょう。


測定環境の条件を考慮する

測定時の環境条件が、結果に影響を与えることがあります。


たとえば、換気設備の稼働状況や外気の影響を受ける可能性があるため、測定前に環境を確認し、適切な条件下で測定を行うことが大切です。


結果の解釈と対策を慎重に行う

測定結果は、数値だけを見て判断するのではなく、作業環境全体の状況を踏まえて分析することが重要です。


数値が基準を満たしていても、長期的な影響や複合的なリスクを考慮し、必要に応じて追加の対策を検討することが求められます。



まとめ

 

作業環境測定は、労働者の安全と健康を守るために欠かせません。

適切な測定を行い、結果をもとに改善を進めることで、よりよい作業環境を維持できます。

これまで作業環境測定を行っていた企業も、これから検討したいと考えている企業も、ぜひ今回の記事を参考にしていただければ幸いです。


また、職場の環境が基準を満たしているか不安な場合や、測定の実施を検討している企業の担当者の方は、当社までお気軽にご相談ください。


安心して働ける職場づくりのために、お客様に寄り添ったサービスを提供してまいります。

 
 
 

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