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アスベストの事前調査は不要? その条件と注意点をわかりやすく解説

  • 執筆者の写真: 博 田中
    博 田中
  • 4月9日
  • 読了時間: 7分

更新日:5 日前

アスベストは、かつて建築資材として広く使用されていましたが、健康リスクが明らかになり、現在では厳しく規制されています。


建物の解体や改修を行う際には、基本的にアスベストの有無を確認する「事前調査」が義務となっていますが、特定の条件下では、事前調査が不要な場合もあるのです。


では、具体的にどのような場合にアスベストの事前調査が不要なのでしょうか? 


この記事では、事前調査の概要や不要となる条件について、詳しく解説します。

事前調査を省略した場合のリスクについても触れているので、適切な判断をするための参考にしてください。





アスベストの事前調査とは?

 

解体や改修工事をする際に、アスベストを含む建材を使用しているかを確認する「事前調査」は不可欠です。この調査を適切に行わないと、工事中にアスベストの細かな繊維が飛び散り、作業員や周囲の人々に健康被害を及ぼす危険があります。


では、アスベストの事前調査とはどのようなものなのか、実施の流れとともに詳しく解説します。


事前調査の概要

アスベスト事前調査は、建築物の解体や改修工事を始める前に、その建物にアスベストが使われているかを確認するために行われます。この調査の目的は、アスベストを含んでいる建材を適切に管理・除去し、飛散による健康被害を防ぐこと。

基本的に、工事の規模や種類にかかわらず、解体・改修作業に関する、すべての材料について実施する必要があります。


事前調査の手順

この調査は、以下の4つの順番で進められます。




事前調査が不要な場合はある?

 

建築物の解体や改修工事では、原則として事前調査を行うこととなっています。

しかし、すべての建物が調査の対象となるわけではなく、特定の条件を満たせば調査が不要となる場合もあるのです。


ここでは、調査を省略できる、主な条件について解説しますので、必要かどうかを判断する際の参考にしてください。

事前調査が不要になる主な条件


事前調査が不要とされるのは、以下のようなケースです。

それぞれの条件について詳しく見ていきましょう。


アスベストが飛散する恐れがない場合

工事の規模や内容により、アスベストが飛散する可能性がない場合、事前調査が不要となります。


具体的には、釘抜き・釘打ちのみの解体改修工事や、塗料の塗り直しのみの工事などです。

ただし、軽微な工事であっても、電動工具を使用する場合や、既存の塗装を削り取る工程がある場合は、調査が必要となることがあります。


アスベストを含まない材質と確定している場合

木材・ガラス・金属・石などの素材には、アスベストが含まれていません。こうした素材でできた建材のみを解体・改修する工事では、事前調査が不要です。


しかし、作業場所の近くにアスベストを含むものが存在する場合、誤ってそれを損傷してしまう可能性もあるため、調査が必要になります。


事前調査の一部が省略できるケース

建物の設計図書や記録に、使用されている建材の種類が明確に記載されており、アスベストが含まれていないことが証明できる場合、書面調査のみで目視調査以降を省略できます。


ただし、設計図書や証明書があっても、現場で使用された建材が必ずしも記載どおりとは限りません。施工時の変更や、後年の改修工事によって、アスベストを含むものがある可能性も高く、慎重に確認する必要があります。


また、設計図書があっても事前調査を省略できない場合も。詳しくは下記(環境省のWebサイト)をご覧ください。




事前調査の未実施・省略のリスク

 

事前調査を適切に実施しないと、さまざまなリスクが生じます。

作業員や周囲の人々の健康を脅かすだけでなく、法的責任を問われる可能性もあるのです。


ここでは、調査を省略した場合に発生する、主なリスクについて解説します。


過去の建築データがない場合は要注意

古い建物では、施工当時の設計図書やアスベストの使用状況に関する記録が残っていないことがあります。

その場合、アスベストが含まれているか判断する材料が不足することも。特に、1980年代以前に建設された建物では、アスベストを含むものが多く、適切な調査が欠かせません。


1990年代以降の建築物であっても、記録がない場合は、必ず信頼できる専門業者に調査を依頼し、安全性を確認しましょう。


事後に発覚した場合には法的責任と罰則が科される

事前調査は法律で義務付けられており、適切に実施しなかった場合、事後的にアスベストが発見されると厳しい処分が科される可能性があります。


労働安全衛生法に違反すると、罰金や業務停止命令が下されることもあります。

また、近隣住民からの訴訟リスクもあり、企業や事業者にとって、大きな損失につながりかねません。


適正な調査を実施することで、法的トラブルを回避し、責任を果たすことが重要です。



事前調査が必要か迷ったときの判断基準

 

アスベストの事前調査が必要かどうかは、工事内容や使用建材の種類によって異なります。しかし、実際に判断に迷うケースも少なくありません。


以下のポイントをチェックすることで、事前調査の要否を見極める参考になります。


建築年数を確認する

アスベストが広く使用されていたのは、1950年代から1980年代後半までです。そのため、1990年代以前に建設された建物には、アスベスト含有建材が使用されている可能性が高くなります。

建築年数は、登記簿謄本や固定資産税の納税通知書で知ることができます。

ただし、一概に「築年数だけで判断できる」と考えるのは危険です。

なぜなら、当初アスベストが含まれていなかった建物でも、後年の改修工事によってアスベスト含有建材が使われた可能性があります。


また、地域や建築様式によってもリスクが異なります。

特に、1970年代から1980年代にかけて急増したビルやマンションでは、断熱材や耐火材にアスベストが使われているケースが多く見られるため注意が必要です。


建物の種類や施工時期を総合的に考慮し、慎重に調査を進めましょう。


設計図書や記録をチェックする

建築時の設計図書や施工記録、過去の改修工事の記録を確認することで、アスベストが使用されているかを判断しやすくなります。


特に、以下のような情報が記載されているかをチェックしましょう。


  • 使用された建材の種類とメーカー名

  • 改修履歴(過去にアスベスト除去工事を実施したか)

  • アスベストに関する調査記録


ただし、設計図書に記載されている建材と実際に使用された建材が異なるケースもあります。

工事の際に仕様変更があった可能性も考えられるため、書類上でアスベストがないと判断できても、目視調査や分析調査を併用するのが理想的です。



目視調査や簡易検査を実施する

設計図書や記録がない場合、目視調査が必要になります。


次のようなポイントをチェックしましょう。


  • 建材の表面や裏面にメーカー名や製品番号の印字があるか

  • 天井や壁、床の材質を確認する(石綿含有建材の可能性があるか)

  • 経年劣化の状態を確認し、崩れやすい建材がないか


また、簡易検査キットを使えば、その場でアスベストの有無を大まかに判定することもできます。

ただし、簡易検査では正確な分析はできないため、確定的な判断には専門機関での分析調査が必要です。


不明点は専門家に相談する

設計図書の情報が不十分だったり、目視調査でアスベストの有無が分からなかったりする場合は、アスベストの専門家に相談しましょう。


専門業者に依頼することで、以下のようなサポートを受けることができます。


  • 適切な調査方法の提案(書面調査・目視調査・サンプル分析など)

  • 分析機関での成分検査の実施(アスベスト含有率を正確に測定)

  • 法律に基づいた適切なアドバイス(事前調査の義務や報告制度について)



自己判断で事前調査を省略してしまうと、後からアスベストが発見されるリスクが生じることも。「調査が本当に必要なのか分からない…」と迷ったときは、無理をせず専門家の意見を聞くことが、安全で確実な方法です。



まとめ

 

アスベストの事前調査は、作業員の健康被害を防ぎ、さまざまなリスクを回避するために欠かせません。

特定の条件下では調査が不要となることもありますが、判断を誤ると後からアスベストが発見され、大きなトラブルに発展する可能性があります。

安全な工事のためには、専門業者に相談し、確実な調査と適切な対応を行うことが重要です。


当社では、専門家による事前調査を実施しています。調査が不要か確認したい場合も相談を承りますので、ぜひ気軽にお問い合わせください。




 
 
 

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