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アスベストが使用されている建築物の見分け方とは?似た素材も紹介

「この建物にアスベストが使われているのでは?」


このような不安を感じたことはありませんか?


古い家屋や施設を所有している場合、目には見えなくても、壁や天井の奥にアスベストが潜んでいる可能性があります。

そして、そのまま放置することで、細かな繊維が空気中に飛び散り、それを吸い込むことで深刻な健康被害を引き起こす可能性もあるのです。


また、解体作業やリフォームの際、アスベストが使用されていることを知らずに作業を進めてしまうと、作業者だけでなく周囲の環境にも影響を及ぼすことも考えられます。

だからこそ、アスベストの見分け方や適切な対処法を知ることは非常に重要です。


この記事では、アスベストの特徴や見分けるポイント、対処法を徹底的に解説。

さらに、見分けがつかない場合にどうしたらいいのかも詳しくお伝えします。


アスベストに関する知識を深められる内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。




アスベストの特徴

アスベスト(石綿)は、自然界に存在する鉱物の一種で、細くしなやかな繊維状の形態を持つのが特徴です。

どのくらい細かいのかというと、太さが0.02〜0.03μm程。その微細繊維が、中空管状をなしています。


アスベストは、耐熱性や絶縁性、引っ張り強度の高さから、かつては建築資材として広く利用されていました。

特に断熱材や防音材、防火材など、過酷な条件に耐えられる素材として重宝されてきた歴史があります。


しかし、優れた特性が注目される一方で、アスベストの細かい繊維が、人体に深刻な健康被害を及ぼすことが分かっています。


◯法による規制

アスベストの危険性が注目されたのは、1970年代以降です。

微細な繊維を吸い込むことで、肺がんや中皮腫といった深刻な健康被害を引き起こすことが分かりました。

このため、多くの国でアスベストの使用が段階的に規制され、日本でも2006年には建築材料としての新規使用が全面的に禁止となりました。


さらに近年では、既存の建造物に残留しているアスベストの管理についても法整備が進められています。


アスベストの取り扱いについて定められた石綿障害予防規則(石綿則)の改正により、2023年10月以降は建築物・建設設備の解体・改修工事の際に、有資格者による調査を行うことが義務付けられました。


こうした取り組みは、作業者や周辺住民の安全を守るだけでなく、環境全体の保全にもつながっています。


参考

厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト「石綿則の改正ポイント」


アスベストは見た目で見分けられる?

アスベストは単体で使われることが少なく、他の素材に混ぜ込まれ、建材として使用されます。

そのため、アスベストが含まれているかどうか、目視だけで判断するのは困難です。


ただし、建材が劣化している場合、アスベストが含まれていることによって、特有の特徴が現れることがあります。


例えば、以下のような建材にアスベストが使用されている場合が多いです。


  • 吹付け材(粗い表面が特徴で、断熱や防音のために使用される)

  • 断熱・保温材(天井裏や壁内で見られることが多い、ふわっとした素材)

  • 成型板(外壁や内壁に使われる平らな板状の建材)


また、こうした建材には、飛散性や発じん性に応じて危険性のレベルが設定されています。

レベル1が最も危険で、飛散しやすく健康被害のリスクが高いとされています。


アスベストが含まれているかを見た目で完全に断定するのは難しいものの、建材の種類や劣化の状況を把握することでアスベストの可能性を推測することが可能です。


もし気になる点が見つかったら、専門の業者に調査を依頼するようにしましょう。



アスベストの見分け方

上記でアスベストを見分けるのは難しいとお伝えしましたが、情報からアスベスト含有の可能性があるかを推測することはできます。


ここでは、アスベスト含有の可能性について知るための方法を、5つ解説します。


1.触れたときの感触

アスベストは、吸い込むと危険な物質です。しかし、直接触るだけでは、すぐに健康被害をもたらすわけではありません。

そこで、触ったときの感触で、アスベストを見分ける方法があります。


アスベストの感触の特徴としては、繊維っぽさがあり、指で擦るとパウダー状に崩れることが多いです。

また、アスベストを含む建材の表面はザラザラしていることが一般的で、加工されていない場合は繊維の束が見えることもあります。


2.建物が造られた年代

建物の築年数から、アスベスト使用の有無を推測することが可能です。

2006年以降、日本ではアスベスト使用が全面禁止されています。

そのため、2006年以前に建てられた建物には含まれている可能性が残ります。


特に1950年代から1970年代に建てられた建物は、アスベスト含有建材が多く使用されていた時期に該当するため、注意が必要です。


3.建物の図面を読み取る

建物の設計図や仕様書を確認することで、アスベストが使用されている場所や建材の種類を知ることができます。


例えば、「吹付け石綿」や「石綿スレート」などの記載がある場合、アスベスト含有建材の可能性があります。

また、改築や修繕時の資料も確認することで、より正確な情報を得ることが可能です。


4.アスベストマーク

一部のアスベスト製品には、アスベスト含有を示すマークが付けられています。

このマークは縦20mm、横20mmの黒い四角内に、アスベストの頭文字である「a」と白文字で記されます。


ただし、すべての製品に表示されているわけではないため、マークがない建材でもアスベスト含有の可能性を否定することはできません。


5.石綿含有建材データベースの活用

国土交通省が提供する「石綿含有建材データベース」を活用すれば、アスベストを含む可能性のある建材を調べることができます。

このデータベースでは、建材名やメーカー名を入力することで、該当建材の情報を確認可能です。


ただし、廃業したメーカーの製品については情報が不足している場合もあります。

対象となる建材がある場合は、このデータベースを一度確認してみるといいでしょう。


アスベストに似た素材とは?

アスベストに似た素材として、ロックウールやグラスウールがあります。


ここでは、ロックウール・グラスウールの特徴やアスベストとの違いを解説します。


◯ロックウール

ロックウールは、溶岩や鉄炉スラグなどの天然鉱物に石灰を混ぜ、高温で溶かして繊維状に加工した素材です。

その性質上、断熱性や吸音性に優れており、主に建築用の断熱材や吸音材として広く利用されています。


製造過程で有害な物質が発生しないことが確認されており、適切に使用されれば安全性が高い素材といえます。


◯グラスウール

グラスウールは、ガラスなどを原料とし、高温で溶かして微細な繊維状に加工した素材です。

その繊維はミクロン単位の細さで、断熱性や吸音性が高く、住宅やビルの断熱材として一般的に使われています。


ロックウールと同様、人体への危険性は低いとされています。


アスベストとロックウール・グラスウールの相違点

アスベストが天然由来の鉱物繊維であるのに対し、ロックウールやグラスウールは人工的に製造された素材です。

アスベストは極めて微細な繊維を持ち、吸い込むことで健康被害を引き起こすリスクがあります。


一方、ロックウールやグラスウールは繊維が比較的太く、加工時に粉じんが発生しても、適切な防護対策を取れば問題ありません。


また、アスベストは自然界に存在する性質上、その構造を制御することができませんが、人工素材であるロックウールやグラスウールは、安全性が考慮された設計が可能です。


アスベスト調査は専門業者にお任せ!(まとめ)

アスベストは、見た目だけではなかなか見分けることが難しい上、取り扱いには専門知識と技術が必要です。

自己判断で対応すると、健康被害や法的問題に発展する可能性があります。


不安がある場合は、必ず専門業者に調査を依頼し、安全かつ確実な対策を講じるようにしましょう。

信頼できる業者に任せることで、安心して建物の管理や工事を進められます。


当社でもアスベスト調査を実施可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください!

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